余生日記

人生をだらだら楽しみたいやつの日記

暮らしの話

凪良ゆう『わたしの美しい庭』を読んだ。めっっっっっちゃくちゃ面白かった!! ここ最近読んだ中で間違いなくいちばん。これはすばらしい。わりとわかりにくい舞台設定なんだけど、序盤で「ん? これはどういう状況?」と思わせてその後の描写で風景がぶわーっと、花が次々開いていくように頭の中に浮かんでくる。もう私の中に、私の縁切りマンションがある。血のつながらない男と暮らすおしゃれな少女が存在する。群像劇で、2番目の『あの稲妻』っていう章がとにかくよかった。これを読めただけでもこの本を開いた価値があった。自分と同世代の桃子という人に、私の心は完璧に寄り添った。でも現実的なことを言うと、一瞬の稲妻のような何をどうやっても忘れ得ない恋愛が、自分になくてよかったなあと思う。思い出だけではつらすぎるとつねづね思っている。今までのさほど多くもない彼氏は全員こいつめんどくせえなと思って別れているからいい思い出だなあという感想すらない。これはこれでめっちゃ楽。他の作品はまだ読んでないからわからないけど、一穂さんにしろ凪良さんにしろやっぱりちょっと同性愛の要素を入れてくる。路有の元カレのどうしようもなさの描写が最高に秀逸だなと思った。なんで昔の男に一緒に逃げてって言った口で嫁のカレー食ってんだよ。呆れすぎて思わず笑ってしまうようなやつ。こういう男好きな人いるよねーと、会ったこともないのに共感した。
大変すばらしい読書体験だった。楽しすぎた。また楽しい本に出会いたいなあ。